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| 去る3月に電化厨房フォーラム21が主催する「快適厨房コンテスト2007」(協賛:東京電力株式会社)の入賞施設に対する表彰式が行われた。 このコンテストはオール電化厨房を導入されている飲食関連施設で、エネルギーの有効活用や安全性、作業環境、衛生環境、作業効率等への配慮がなされた施設に対し、同会にて厳正な審査の上優れた施設に表彰が行われるものであり、今回はフジマックが施工した4つの施設がみごと受賞した。 今回の現場の目線では、これらの店舗・施設に携わる方から電化厨房に関する率直なご意見や、これから導入を検討されている皆様へのアドバイス、経験談などについてのお話を紹介する。 |
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日本を代表するホテル「ホテルニューオータニ」ザ・メイン17階にある展望レストランBLUE SKYが全面改装され、「VIEW&DINING THE Sky」として2007年6月にオープンした。同店ではこれを機にIH調理機器を中心としたオール電化厨房を導入し、お客様の目の前でライヴ感溢れる調理シーンによる演出と出来たての美味しさを提供し好評を博している。 たくさんの調理スタッフがいらっしゃいますが、オール電化厨房導入に伴い、皆さんにどのような指導をされたのでしょうか?飯塚 私自身、家電向けのIHコンロは使ったことはありましたが、本格的な大出力タイプを使うのはここが初めてでした。そこでスタッフが交代で東京電力さんの研修施設である「電化厨房エスコフィエ」に赴き研修を受けました。1年を経過して言えることは、IHコンロはとにかく調理の回数をこなして体で覚えることが一番だ、と言うことです。初めのうちは一度にまとめて調理すれば出来る料理も、小分けにして何度も繰り返し調理させたことでだんだんと上手に使えるようになってきました。 料理長として、また、スタッフの皆さんの仕事のしやすさはどう変わりましたか?飯塚 最少に出力を絞った時も立ち消えの心配がないのが良いですね。厨房や周囲の汚れも極端に少なくなったので、総じてみんなの仕事が楽になりました。そのぶん調理に専念できるので、よりクオリティーの高い料理が提供できるようになったと思います。 IH コンロだからこそ、というような調理面で工夫された点は?飯塚 実際、ガスと大きく異なる点は、鍋底が集中して加熱されるため、鍋全体を包み込むように加熱することができません。そうなると、鍋の中で対流させて包み込むように沸かして加熱する調理がやりにくいのです。私は鍋をわずかにオフセットすることで全体からではないのですが、側面から対流させるように加熱させています。それと、注意しなければいけないのは目視で火力が確認できないので、鍋の空焼きなどの事故を防ぐよう注意しています。確かにガスにもガスの良さがあるのですが、今後、もしどちらかを選ぶときにはだんぜん電化厨房を勧めます。 お客様の反応はいかがでしょうか?飯塚 営業中に調理をしていると、不思議そうに覗き込んでこられる方もいらっしゃいます。そして使い勝手が良いか聞いてこられます。最近は家庭用でも販売されているので、ご興味を持たれる方が多くなったように思います。 機器についてのご要望はございますか?飯塚 大き目の鍋を使うとき、ガスバーナーのように内輪・外輪の出力を独立して調節できる機能がIHコンロにあれば便利ですね。 メイン厨房のような大きな厨房では、出力の違うタイプを複数台設置し、調理方法や使う鍋の大きさなどによって高低の変化をつけて設置すると便利ではないかと思います。 |
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ホテルニューオータニ VIEW&DINING THE Sky 料理長 飯塚 孝昭さん |
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効率良く配置されたオープンスタイルのキッチン
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キッチン内側もオープンして1年に
なるが綺麗だ |

PIASISは新橋にあったオフィスビルをリニューアルし、「大人の隠れ家」をコンセプトに、新しいスタイルの和食を提供する店舗。 電化厨房導入の経緯をお聞かせ下さい。浅野 当社では東京電力系列の飲食施設の運営をしていた関係で業務用のIHコンロが市場に出始める前から使用しており、当社の調理師も講師を務めてIH調理機器の普及に協力してきた時期もありました。飲食業界で業務用IH機器を使用した草分け的存在であり、発展の歴史とともに歩んできたという思い入れがあります。そういう背景もあり、自社で経営する店舗や施設に積極的に電化厨房機器を採用してきました。 電化厨房システム導入のメリットについてお聞かせ下さい。浅野 安全・快適・清潔と言う、メーカーさんが言われるようなセールス・トークにまとめてしまえばそれで済むのですが、当社の場合は社員のモチベーションを高めるために非常に効果がある、という点を重視しています。電化厨房の導入により、何よりもスタッフが厨房を常に清潔に使うようになったということです。厨房を綺麗に使うことで従業員の意識も高まり、提供する料理の内容・質も自ずと高まるという面で効果を上げています。それと、当社では身障者の雇用促進を積極的に行っている関係もあり、安全面の確保においても多大なメリットがあります。 また、設置スペースがコンパクトに出来る点は見逃せません。PIASISは以前オフィスとして使われていたビルで、事務所で使用する場合1フロアに多くて5?6人の机が置ける程度でした。IHコンロなどを効率的に配置したことで厨房をコンパクトにまとめることができたので、各フロアで20席前後確保できるようになりました。 1階の主厨房で仕込みを行い、フィニッシュは各フロアのカウンター厨房で調理して提供するため、より美味しい食事を提供できます。客席側にも熱気が出ないので、お客様にも快適に過ごして頂けます。 初期の設備投資と回収という点ついてはどのように考えているのでしょうか?浅野 電化厨房機器の場合、やはりガスと比較して機器コストは割高なので設備投資を開店した1年目で回収することは正直厳しいです。当社における過去の導入例を見ますと概ね3年で回収できており、それ以降はランニングコストは逆転してきます。導入に際しては数年先を見てコスト計算をしていく必要があるのではないでしょうか。 |
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株式会社無州 常務取締役 浅野 廣義さん |
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客席前のサブキッチンで仕上げ調理も行える |
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家具調のキャビネットに収められた主厨房の機器群 |

小田原と言えば鈴廣、と言われるほど伊豆半島や箱根方面への観光旅行客の多くが訪れる観光スポットとして知られており、曜日を問わず連日多くの観光客で賑わいを見せている。同施設内にあるレストラン「鈴の音ホール」では、リニューアルを機にオール電化厨房を導入した。ここでの食事を一手に担う鈴の音ホール・二見調理長に日々の調理を通じて感じている点を伺った。 オール電化厨房の使い勝手はいかがでしょうか?二見 今までIHコンロを使った経験が無かったため、使用開始当初は私以下多くの調理スタッフは火が見えないことに戸惑いを感じましたが、使い込むことで徐々にその良さを実感できるようになりました。何よりも掃除のしやすさ、汚れの少なさが違います。従来の厨房では終業後の清掃に30分以上かかっていましたが、今は拭き上げるだけで終わります。厨房の衛生環境を維持することは調理に携わる者にとって最も重要なことです。特に我々のように短時間で大量の食事を提供するこの施設ではなおさらです。今は安心して調理に集中することができるようになりました。 作業効率についてはいかがでしょうか?二見 団体様向けに大量の盛付け作業を行う際はIHコンロのトップがそのまま作業スペースとしても使用できるので便利です。また、煮物など調理の内容によっては鍋をかけたまま他の作業を並行して行えるので、スタッフの動きにもゆとりが出来ました。 約一年近くお使いになられてきましたが、要望事項や改善事項などはございますか?二見 現在あるIHコンロの適用鍋サイズが小さいので、たまに大きな鍋を使いたいと思っても、使えないないという欠点があります。もちろんIHに使える大きな鉄鍋もありますが、ユニット自体がやはり小さいのでうまい具合に加熱がされません。欲を言えば、うちのような調理のスタイルの場合はもう一回り大きな鍋に対応できるIHユニットがあれば良いと思いました。 |
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株式会社小田原鈴廣 鈴の音ホール 調理長 二見 恒昭さん |
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主厨房の様子。IHコンロも有効な作業スペースとなる |
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手前より炊飯器、コンビオーブン、連続式フライヤー |
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れんげの里は、小田原市の中心街より少しはなれた静かな住宅街にある高齢者総合福祉施設。ここでは新施設の開所を機にオール電化厨房および新調理システムを導入し、少人数のスタッフで効率良く美味しい食事を三食提供している。 真空調理法の導入において、ご苦労された点はどんなところでしょうか?尾上 まず、基本的に守るべきことをきちんと覚えた上で、あとは試作と試食を繰り返すことです。大切なことは、まず実践して作ってみることだと思います。失敗したものはそれが成功するまで妥協せず、満足の行く仕上がりになるまで何度も作り直すことです。また、試作は一人前単位で行いましたが、稼動時は数人分単位でパッキングしますので、その時に調味料や汁などの調整具合を微妙に変動させなくてはなりません。これもやはり経験を重ねることで身につき、食数の変動時も概ね予測できるようになりました。材料の違い、求める食感に対する差があるため、レシピは自分達で構築しなければなりません。とにかく数をこなして少しでもおいしいものを提供できるよう、日々努力することが大切であるということを学びました。現在ではこれらの経験をもとに構築した当園独自のシステムをベースにした、真空調理を含めた調理システムの講習も承っております。 IHコンロについてのご感想は?尾上 IHコンロは見た目で出力がわからないので、初めて使うスタッフは必ずと言って良いほど鍋を焦がしてしまいました。これについては調理の都度、どのくらいの数値(%)の加熱でうまい具合に調理できたかというデータを残させ、それをマニュアル化してから改善させました。特に圧力釜のように目で見えない状態で食材を加熱していく調理の際は、自分で思っている以上に強いエネルギーが食材に加わりますので注意が必要です。また、現在でも鍋によっては微妙な位置加減で加熱のゾーンが偏るものがあり、部分的に焦げてしまう時があります。それだけシビアな使い方が要求されるわけですが、使う人の個人差に影響されず、より均一な加熱が行えるような機器や鍋などが開発されればさらに良くなると思います。 |
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潤生園 食事サービス部 栄養管理課長 尾上 千鶴さん |
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調理はもちろん、再加熱にも欠かせないコンビオーブン |
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IHコンロは加熱の度合いを数値でマニュアル化した |
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尾上課長と調理スタッフのみなさん |