お客様事例長崎マリオットホテル

「長崎、九州にもう一度来たい」と感じる食体験で、おもてなし

長崎マリオットホテルの榮岩(はえいわ)雅幸・総料理長。佐賀県嬉野市の出身で、2007年に開業した「ザ・ペニンシュラ東京」の料理長をお務めになりました

2024年1月、国際観光都市・長崎に、九州で初めてのマリオットホテルとなる「長崎マリオットホテル」が開業しました。レストランの指揮を執るシェフは、かつて「ザ・ペニンシュラ東京」で料理長をお務めになった榮岩(はえいわ)雅幸総料理長。長崎を始めとする西九州の食材の素晴らしさと食文化の豊かさを、国内外から訪れるゲストに紹介したいと抱負を語ってくださいました。

客室は、九州最大級のスイートルームを含む207室

西九州新幹線の開業によって、国内外からのアクセスがさらに便利になった、国際観光都市・長崎。2024年1月、JR長崎駅ビルの高層階に、インターナショナルブランドのホテル「長崎マリオットホテル」が開業しました。「マリオット」ブランドのホテルとしては九州初で、経営は九州旅客鉄道株式会社(JR九州)のグループ会社であるJR九州ホテルマネジメント株式会社。長崎の港と海へのオマージュを表現した施設で、マリオットの上質なサービスを提供しています。

客室は、九州最大級のスイートルームを含む全207室(ゲストルーム179室、スイート28室)。レストランは、長崎港に面したオールデイダイニングの「Harbella(ハーベラ)」、稲佐山と港を望むバーラウンジ「The Azurite(ジ アズライト)」、鉄板焼きや江戸前寿司などを提供するスペシャリティレストラン「De jima(デジマ)」の3施設。マリオット・インターナショナルのメンバーシッププログラム「Marriott Bonvoy」で一定以上のステータスを持つゲストと、エグゼクティブフロアの宿泊客が利用可能なエグゼクティブクラブラウンジ「Mクラブ」も日本初の施設として設けられています。

長崎マリオットホテルのロビー(写真左)と客室(同右)。日本で9番目のマリオットホテルとして開業しました

地産食材によるストーリー性のあるメニューを提供

榮岩雅幸総料理長。「インターナショナルブランドのホテルには、宗教や食習慣の違いなどに配慮した、よりきめ細やかなメニュー対応が必要です。この点でも、外資系のホテルで仕事をしてきた私の経験が役に立つと思います」とお話しくださいました

長崎マリオットホテルは、世界中のラグジュアリーホテルを使い慣れた旅行客やビジネスパーソンなどの利用が見込まれています。上質な旅とホテルでの快適な滞在を期待して国内外から訪れるゲストをもてなす料理のコンセプトは、「長崎と西九州の豊饒な農業・漁業がもたらす地産食材による食のアドベンチャー」。料理は、日本でも屈指のインターナショナルホテル「ザ・ペニンシュラ東京」で料理長を務めた榮岩(はえいわ)雅幸総料理長が指揮を執ります。榮岩総料理長は、西九州新幹線の開業で移動が30分圏内となった佐賀県嬉野市のご出身です。「調理師人生の集大成として長崎マリオットホテルのキッチンに立っています。愛する長崎と西九州の食材の魅力や食文化の豊かさを、国内外のお客様にお伝えしたいです。そのためにも、スタッフとお客様のコミュニケーションのきっかけとなるような、ストーリー性のあるメニューを提案したいと思います」と抱負を語ってくださいました。

食材と食文化の魅力を感じることのできる、ストーリー性のあるメニューとは、どのようなメニューをイメージすればよいのでしょうか。榮岩総料理長は、一例として、「長崎の方々にアフタヌーンティーをもっと楽しんでもらいたい」と考案した、長崎銘菓のカステラを使ったデザートを紹介してくださいました。「カステラをフレンチトーストにして、長崎の彼杵(そのぎ)茶を混ぜ込んだマスカルポーネクリームを載せます。そこに食感の変化を楽しんでもらうため、ナッツを振って、新しい見た目と食感のデザートに仕立てています」(榮岩総料理長)。

「生産者の大切な“作品”を料理にして、その素晴らしさを知っていただきたい」

島原産フィンガーライム。「粒がジュレ状で色もきれいです」(榮岩総料理長)

榮岩総料理長は2023年4月に長崎マリオットホテルの総料理長に就任して以来、西九州エリアの食材生産者のもとを訪ね歩いたそうです。「JR九州は地域に根ざした企業ですから、九州の生産者とのお取引もあります。時には、そのネットワークを活用させてもらいながら、産地にお邪魔しました」(榮岩総料理長)。

佐世保、松浦、雲仙、大村、島原、嬉野…。榮岩総料理長のお話を伺うと、西九州の地名と一緒に、名産品の名前が次々と出てきます。「フィンガーライムをご存じですか。ジュレのようにきれいな果肉で、黄色やオレンジ、透明など、種類が豊富です。フレッシュが日本になかなか入って来なかったのですが、島原で質の良いものが作られています。焼き物などに添えてもいいですし、カクテルやデザートに仕立てても映えますよ。西九州にはこだわりを持っている生産者がたくさんいます。そのような方々が丹精込めて作った食材は西九州の魅力の一つであり、“作品”とも呼べる大切なものです。私たちは、その素晴らしさを知っていただくツールとして料理を作り、西九州の魅力を表現していきます」(榮岩総料理長)。

「お客様向けの料理教室を開きたくなる、美しい厨房です」

fujimakは、長崎マリオットホテルの厨房を施工させていただきました。「自社ブランドで宿泊主体型のホテルを多く経営してきたJR九州グループにとって、マリオット・インターナショナルとの提携は、数々のノウハウを吸収する貴重な機会となっています。それは厨房についても同じで、安全性や作業性、快適性などの面で様々なノウハウに裏打ちされたマリオット・インターナショナルの基準に対応しながら、多様な業態の料飲施設を立ち上げるのは、学びの多い、チャレンジングな体験でした」。こうお話しになるのは、九州旅客鉄道株式会社事業開発本部ホテル事業部で、長崎マリオットホテルの開業プロジェクトをご担当さなっている田中佑樹課長代理です。「fujimakは、マリオット・インターナショナルのスタンダードやグレードに対応した品質の設計や施工をしてくれました。このクラスの厨房を熟知していることを頼もしく思いましたし、要望を伝えるとすぐに図面を上げていただくなど、早いレスポンスに感謝しています」(田中課長代理)。

実際に厨房をお使いになる榮岩総料理長は、「機動力がある、というのがfujimakの担当者についての印象です。開業前は毎日のように来てくれて、私たちが気づく前に次々とセッティングを改善してくれました。その結果、衛生面で優れたレイアウトや設備でありつつ、動線がスムーズで、使いやすい厨房になっています」とご評価くださいました。「厨房自体がお客様をお迎えしたくなる美しさですから、将来は厨房でお客様向けの料理教室を開催して、その後にダイニングスペースで食事を楽しんでいただく企画も考えたいですね」(榮岩総料理長)。

個別の設備や機器についてもコメントをいただきました。長崎マリオットホテルの加熱調理を行うヒートセクション厨房には特注のアイランドキッチンが設置されています。「サラマンダーが高い位置に設置されており、焼き色をつけた料理をそのまま下の皿に盛り付けることができます。これはとても使いやすいです」(榮岩総料理長)。コンビオーブンも、特に肉や魚の調理や低温調理でご活用いただいているそうです。「肉のローストは、コンビオーブンで低めの温度にしてじっくりと熱を入れた方が、軟らかい部分が多くなり、肉全体をおいしく食べていただけます。ソース類も素材と一緒に低温加熱して真空包装し、冷凍でストックしておけば、ピークタイムの作業性が向上します」(榮岩総料理長)。

ヒートセクション厨房。榮岩総料理長はサラマンダーの独自レイアウトによる作業性の高さをご評価くださいました

「長崎マリオットホテルでの食を体験することで、『長崎に、九州にもう一回来たい』と感じてもらいたいですね」とおっしゃる榮岩総料理長。九州の人々の生活に密着して九州の魅力を高め続けてきたJR九州グループのネットワークと、世界各地で多様なお客様をもてなしてきたマリオット・インターナショナルの優れたノウハウ、そして、地域への愛情を持って厨房に立つ榮岩シェフの技術と経験が融合し、長崎マリオットホテルは、国際観光都市・長崎の新しい顔として、多くのゲストを魅了していくことになりそうです。

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施設情報

施設名 長崎マリオットホテル
運営 JR九州ホテルマネジメント株式会社
所在地 長崎県長崎市尾上町1-1
開業 2024年1月
Webサイト https://www.marriott.com/ja/hotels/ngsmc-nagasaki-marriott-hotel/overview/