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fujimakとの仕事

「納めた後の責任感」を評価

上柿元 勝ムッシュ(パティスリー カミーユ)

「長い、長いお付き合いです」

fujimakとは長い、長いお付き合いです。1981年に31歳でフランスから帰国し、神戸ポートピアホテル「アラン・シャペル」のシェフに就任した時以来、40年間、厨房はずっとfujimakです。ハウステンボスの開業時も経営サイドにお願いして、厨房はfujimakにしてもらいましたし、私の店である「パティスリー カミーユ」のキッチンもfujimakです。

自然の恵みである食材に、ガスや電気というエネルギーの力を借りて熱を通し、食べる人に美味しさをお届けする――。私は感謝の念を抱きながら、このプロセスに料理人としての経験をつぎ込み、情熱を注いでいます。そして、尊敬できる生産者さんやメーカーの方々、思いを分かって下さるお客様とのかかわりあいの中で、料理という文化を次の世代に継承していきたいと考えています。

ですから、どの厨房機器メーカーとお付き合いをするのかは、私自身にとって重要なことです。fujimak以外にも、素晴らしいメーカーはあるのでしょう。しかし、フランスから帰国して神戸で仕事を始めた時に、自分に合うと感じたのがfujimakでした。

信用を積み重ね、今では信頼に

fujimakは最高の厨房機器を作っています。最先端の厨房機器にも、職人の魂が込められていると感じます。ただ、メーカーに対する評価というのは、製品の機能だけで決まるものではありません。機器を納めてもらった後の対応が肝心です。

神戸の「アラン・シャペル」にいた時、コンベクションオーブンの機種がフランスで使っていたものと違っていて、思うような仕上がりにならなかったことがあります。この時、店に来たfujimakの技術者が、図面とにらめっこして、汗だくになりながら「何とかしよう」と手を動かしていた姿が忘れられません。自分たちの納めた製品に責任を持とうという姿勢に好感を持ち、この会社は信用できると思ったものです。

困ったことに、厨房機器というのは、忙しい時に限って調子が悪くなることがあります(笑)。fujimakの技術者は、今も電話一本で飛んできてくれます。これが大事です。作るのも人間なら、直すのも人間。不具合があった時に、どのような姿勢で向き合うのかを料理人は見ています。fujimakは、製品だけでなく、アフター(サービス)がいい。歴代の担当者が信用を積み重ねてくれて、今ではfujimakとの間に、見えない「信頼」という名のパスポートが交わされています。

厨房機器を文化に

長いお付き合いですから、苦言を呈したこともありますよ。難しい専門用語を並べて修理の説明をされたことがあって、「横文字ばかりで分からん。素人が分かるように説明してくれ」と叱りました。「これ、漏電していますね。もしかして、濡れたまま食材を入れましたか?」などと言ってくれればいいんです。大事なのはユーザーの目線に立って、料理人が理解できるように伝えることです。ほかの現場でも注意を受けることはあるはずですが、注意してくれる人がいるというのは、有難いことですよ。謙虚に受け止めて改善につなげてほしいと思います。互いの信用・信頼は両社の発展につながり、それが社会貢献にもなると思います。

食文化という言葉がありますね。いつの時代も本物は残り、文化になっていきます。厨房機器も同じです。fujimakには、厨房機器という文化の担い手を目指していただきたい。それには、企画・設計と営業と技術の各部門が三位一体となってユーザーに向き合う必要があります。「これは営業の仕事」「これは技術者の仕事」などと線引きをせずに、営業担当者はもっと技術を勉強し、企画をする人もお店に顔を出して、ユーザーと話をしたらいいのです。料理人からすれば、どの担当も同じfujimakの社員ですから。現場との接点を全社員が持って、情報を共有しながら、ものづくりやサービスに生かしていってほしいです。そうすれば商品価値が上がり、fujimakの厨房機器やサービスが工業製品の枠を超えて文化になっていくはずです。

私はfujimakのファンですし、fujimakの製品を使っていることに誇りを持っています。自分がいいと感じているから、仲間にも勧めています。「fujimakはいいよ」――。仲間にこう勧め続けられるよう、いい製品とサービスを世に送り出し続けてほしいと思います。

上柿元 勝(かみかきもと・まさる)ムッシュ

1950年鹿児島県生まれ。辻学園日本調理師専門学校卒業後、大阪「野田屋」で西洋料理の基礎を学び、74年に渡仏。
「ル・デュック」「アラン・シャペル」「ピック」で修業後、81年、神戸ポートピアホテル「アラン・シャペル」オープンにあたり帰国し、シェフを務める。ハウステンボス「ホテルヨーロッパ」総料理長及び総支配人を経て、現在は長崎市「パティスリー カミーユ」オーナーシェフ。
黄綬褒章受章。現代の名工。フランス農事功労章オフィシエ受章。日本エスコフィエ協会理事。クラブ・ド・タスキドール会長。
著書『ソース~フランス料理のすべて~』『キュイッソン』(柴田書店)

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