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fujimakとの仕事

V.C.C.越しに
料理の未来が見える

渡辺 雄一郎シェフ(Nabeno-Ism/ナベノイズム)

道具には使う人の
思いがこもっている

高校時代に野球をやっていた僕にとって、キッチンはグラウンドと同じ。神聖な場所です。一礼をして入ったら、スタッフ全員と握手(コロナ禍の時期はグータッチ)をし、神棚に「今日も安全にいけますように」と祈ります。そして、僕のシグネチャーディッシュである、そばがきを作ります。営業が終わり、プラックの火を落としたら、プラックを丁寧に磨く。この作業は誰にも譲りません。

私の師匠であるジョエル・ロブションの店で働いていたとき、彼にこう教わりました。「ワタナベ、知っているか。料理って、一番愛情をかけられるんだよ」って。そんな愛情を込めるのに欠かせない厨房機器や調理器具にも、作った人の思いが込められています。ですから、スタッフが冷蔵庫の扉をバーンと閉めたりすると、注意します。「冷蔵庫が痛がっているじゃないか。人の思いがこもっているものを雑に扱うな」と。

クラシックと
テクノロジーを融合

そんな僕の店のキッチンで、文句も言わず、時には帰宅後もオーバーナイトで働き続けてくれているのが、fujimakさんの「バリオクッキングセンター(V.C.C.)」です。2016年の「Nabeno-Ism」開業時から稼働しています。これ1台で、ほとんどすべての加熱調理ができます。多機能なだけではなくて、温度管理を任せられるのがいいですね。ソースやカレーなどを加熱すると火の乱れがありませんし、食材を載せて焼いても、加熱ムラがなく、均一に加熱できます。

敷地面積20坪というコンパクトな「Nabeno-Ism」の厨房で、安全で衛生的に、かつ効率的に調理をするためには、最先端テクノロジーの機器を使いこなし、クラッシックな機器によるアナログの調理と融合させていく必要があります。僕は、日ごろから、料理をもっとおいしくできないか、おいしくできたら、さらに突き抜けた料理にできないかと考えています。V.C.C.はそんな挑戦の貴重な戦力です。最先端ということはfujimakも気づいていない活かし方があり、料理をもっとおいしくできる可能性を秘めているわけですから。

一例をご紹介します。僕のスペシャリテ「フォアグラのV.C.C.焼き」は、V.C.C.の持ち味を生かした料理です。V.C.C.は、フライパンを傾けて火にかけ続けるのと同じように、パンにほんの少し傾斜をつけて、加熱ができます。僕はこの機能を使って、フォアグラや牛フィレ肉などをポワレしています。若い時から「ポワレはアロゼ(煮汁や油を素材にかける)しろ」と教わりましたが、僕には、フォアグラに関しては加熱して酸化した悪い脂を肉にかけ続けることが良いとは思えなかったんですね。そこで、V.C.C.のパンを傾けて、余分な脂が下方に流れ落ちるようにしたんです。フォアグラに良くない香りがつかず、嫌な味も入らない。繊細で、香り高く、味わい深いメニューに仕上がりました。

V.C.C.を通して、僕には料理の未来の姿が見えます。導入当初、知人には、「ヘリコプターと飛行機が合体した『オスプレイ』みたいな厨房機器を店に装備したよ」と言っていましたが、今さらながら、とんでもない調理機器だなと感じます。最初の1年で十分、元が取れています。調子が悪くなって技術者に来てもらったのも、この5年間で1回だけです。

fujimakへの不満「ないです」

fujimakさんとのお付き合いがはじまったのは、「タイユヴァン・ロブション」に勤務した26歳のときです。日本初の本格的なオール電化厨房で、ルセットを電磁調理器に対応させることにゼロから取り組みました。あれ以来、fujimakさんとは四半世紀以上のお付き合いですね。独立開業した「Nabeno-Ism」の厨房は、設計をfujimakさんにお願いしました。V.C.C.やコンビオーブン、冷蔵庫・冷凍庫、真空包装機をはじめ、機器の大半もfujimak製品で揃えています。

fujimakさんへの不満ですか? ないです。コーポレートシェフの皆さんからは厨房機器の使い方について情報をもらっていますし、料理のデモンストレーションでは動きやすいように配慮してくれます。ええ、本当です。不満はありません。

渡辺 雄一郎(わたなべ・ゆういちろう)シェフ

1967年千葉県生まれ。1988年大阪あべの辻調理師専門学校を卒業後、同校フランス校へ進学し、フランスの各店で研修し、「ル・マエストロ・ポール・ボキューズ・トーキョー」に勤務。1994年、東京・恵比寿のシャトーレストラン「タイユヴァン・ロブション」のオープンに携わり、96年スー・シェフに就任。98年「カフェ・フランセ」にてシェフ経験後、2004年からは「ジョエル・ロブション」のエグゼクティブシェフを務める。2016年7月、東京・駒形に「Nabeno-Ism」を開店。

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