お客様事例BUTTER 美瑛放牧酪農場

東京の中心で出来たてバターの美味しさを伝える

丸ビル「マルチカ」のメイン通路に面したバターのプラント

JR東京駅・丸の内南口。この都心の一等地に、バターの製造プラントがあります。丸ビルに開業した「BUTTER 美瑛放牧酪農場」は、バターの製造プラントを併設した、乳製品・焼き菓子の物販とカフェの複合店です。北海道・美瑛の自社牧場で採れた新鮮なミルクで作ったフレッシュバターを販売しています。その他にも、バターと美瑛小麦をたっぷり使用したビスケットやホットケーキを提供し、来店客に出来たてバターの魅力を伝えています。原料となる乳製品や食材を安全な衛生状態で管理するために、fujimakのクラウド型温度管理システム「キッチンリンク・クラウド」や、冷蔵庫がお役に立っています。

テーマは「今日作ったバターを今日食べていただこう」

「ミルク感あふれる、フレッシュなバターの魅力を感じていただきたいので、販売するバターはその日に作ったものだけ。『今日作ったバターを今日食べていただこう』がテーマで、フレッシュなバターの豊かな味わいと、奥深さを多くの方に知っていただきたいと思います。本物にこだわって、美味しいものを作るために、毎日、妥協せずに商品作りに取り組んでいます」―。こうおっしゃるのは、東京・丸の内「BUTTER 美瑛放牧酪農場」の江幡和子店長です。2023年4月、「丸ビル」地下1階に開業して以来、連日、開店前から行列ができる人気店となっています。

経営母体の株式会社美瑛ファームは、東京・銀座の食パン専門店「CENTRE THE BAKERY(セントル・ザ・ベーカリー)」の経営で知られる企業です。同社は2009年から、北海道・美瑛で自社牧場「美瑛放牧酪農場」を運営しており、完全放牧で牧草を食べて育った牛(ジャージー種、ブラウン・スイス種、ホルスタイン種、モンベリアード種)のミルクを搾乳し、出来たてのチャーニングバター(牛乳から分離したクリームを強くかくはん〈=チャーニング〉することによって乳脂肪の塊を集めたバター)を製造しています。ミルク感を最大限に残す製法で、ミルクの味わいが口の中に広がるのが特徴です。

BUTTER 美瑛放牧酪農場は、店名にBUTTERを冠していることで分かるように、美瑛放牧酪農場で採れた新鮮なミルクを使った出来たてのチャーニングバターの美味しさを伝えたいとの思いで作られた店舗だそうです。地下街のメイン通路に面したガラス張りのプラントでは、美瑛から届いたフレッシュな生クリームをバターに加工し、店舗ショーケースでお客様の指定したサイズや形に成形して販売しています。

できたてのバターを木べらで成形し、整えます

店内で作られた出来たてバターはまた、もう一つの主原料である美瑛小麦「きたほなみ」の特製ブレンド小麦粉と共に生地になり、店内で焼成した約20種類のビスケットとして店頭に並びます。さらに、店内のカフェではバター100gを添えた出来たてのホットケーキに姿を変え、「『ミルクを食べるバター』を食べるホットケーキ」(2200円、税別)として提供されます。

「『ミルクを食べるバター』を食べるホットケーキ」。美瑛の大地が育んだ食の豊かさを味わえる、ぜいたくなメニューです

「出来たてのバターってこんなに美味しいんです」

出来たてのバターも、ビスケットも、そしてホットケーキも大人気で、SNSや口コミで人気が広まっています。取材当日は、ビスケットの商品開発を担当するスーシェフが、ビスケットについてお話をしてくださいました。

「私たちは『出来たてのバターってこんなに美味しいんです。皆さん、知っていますか』。そんな思いを商品に込めています。ビスケットの場合、チョコレートや副材料で華やかさを出すのではなく、バターのミルク感や味わいの豊かさ、そして美瑛小麦の香ばしさや力強さを生かしながら、配合を変え、口溶けや噛み応え、コクなどの面で個性を出すようにしています。『茶色い見た目のビスケットが多いけれど、どれも味が違うね』と言っていただけることが嬉しいです」とスーシェフはおっしゃいます。

ビスケットは約20種類。ギフトとして人気です

温度管理は「fujimakにお任せしている感覚です」

「乳製品を扱い、製造や調理の多くは手作業ですので、衛生管理にはものすごく気をつかっています。温度管理はとりわけ重要です」と江幡店長はおっしゃいます。BUTTER 美瑛放牧酪農場には、冷蔵庫や冷凍庫、ショーケースなど22台の冷蔵・冷凍機器が稼働しており、その全ての温度が、fujimakのクラウド型温度管理システム「キッチンリンク・クラウド」によって管理されています。庫内・室内温度が通信で管理・記録され、温度の異常を検知すると、エラー情報がメールで通知されます。

バター製造プラントの冷蔵庫に設置してあるキッチンリンク・クラウドの親機
生クリーム保存用冷蔵庫に設置してあるセンサー

「衛生管理の基本として、またHACCP対応の観点からも温度の記録を残す必要がありますが、毎日やらなければならないことが多くある中で、22箇所もの冷蔵機器類の温度記録を付ける作業は、結構な負荷であるのも事実です。キッチンリンク・クラウドは温度のデータをとって、そのデータを残してくれますので、スタッフが、自分がやらなくてはいけないことに集中できる環境が整います。言わば、冷蔵庫の温度管理をfujimakにお任せしている感覚ですね」と江幡店長はおっしゃいます。

江幡店長によると、正確なデータが記録されていることで、スタッフの方々の意識付けにも役に立っているそうです。「例えば、夏場、庫内温度が上がっている時間帯があると、その時間帯に何があったのかを皆で振り返ります。すると、『忙しい時間帯で冷蔵庫の開け閉めの回数が多かった』などの原因が分かります。『あのときの開け閉めでこれだけ温度が上がるのだから、開け閉めの回数を減らし、必要なものを取り出したらすぐに扉を閉めよう』などと、適正温度を保つために何をしなければいけないのかを考えるきっかけになります」(江幡店長)。

ビスケットなどの生地を作るパイルームに設置した冷蔵庫
江幡和子店長。主に接客を担当しておられます

 最後に、江幡店長は、お客様とのコミュニケーションについて、こんな体験を語ってくださいました。「SNSなどで当店の商品やメニューを『美味しかった』と紹介していただけるのはとても嬉しいことです。ただ、それ以上に、店舗で『美味しい。来て良かった。また来ますね』などと直接声をかけていただけると、嬉しく、励みになるのです。わざわざ言葉をかけていただけると本当にお気持ちが伝わりますね」(江幡店長)。

これは取引先との関係にも通じる部分があるようです。「キッチンリンク・クラウドも、基本的にはシステムだけで温度管理の情報はとれるのですが、fujimakの担当者は、『さっき、こんなエラーメッセージが出ていましたね。あれの原因は解決済みです』などと電話をくださったり、『近くに来たから寄りました』と顔を出してくれたりします。何かのついででお伝えしたことに『対応しておきました』と連絡をくださったりもします。担当の方が当店を常に気にかけてくれているという安心感があります。機器やシステムの高い性能も大切ですが、人としての気遣いが私たちにはありがたいです」(江幡店長)。

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店舗情報

店舗名 BUTTER 美瑛放牧酪農場
経営 株式会社美瑛ファーム
所在地 東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディングB1
開業 2023年4月
Webサイト https://biei-farm.co.jp/butter/