お客様事例社会医療法人愛育会 福田病院

新たな家族を迎える女性に、心づくしの食体験を提供

2019(令和元)年完成の新病棟「令和館」の最上階(10階)に位置する患者様専用レストラン「シンプソンズ」のオープンキッチン。「劇場の舞台をイメージした」と大塚博総料理長はおっしゃいます

2022年の出産総数3717人。「日本一、多くの赤ちゃんが産まれる病院」として知られる熊本市の社会医療法人愛育会 福田病院は、妊娠、出産、子育てに貢献する医療を提供し続けています。その福田病院に入院なさる方が楽しみにしておられるサービスの一つが、ホテルや高級レストランに引けを取らない、質の高い食事です。コンビオーブンやバリオデュアルパンなどをお使いいただいている館内レストラン「シンプソンズ」で、大塚博総料理長と緒方恵子栄養サービス部長にお話を伺いました。

「日本一赤ちゃんが多く産まれる病院」の魅力

社会医療法人愛育会 福田病院(以下、福田病院)は、女性の地位向上のために産婦人科を専攻した創立者が1907(明治40)年に開設した病院です。女性に寄り添う病院として歴史を重ね、2006年には、地域の周産期医療の基幹施設となる地域周産期母子医療センターとして熊本県から認定されました。産科や小児科など多くの診療科目がありますが、特に「周産期」と呼ばれる産前産後の期間に関する高度な医療を母子に提供しており、「日本で一番赤ちゃんが多く産まれる病院」としても有名です。2022年には3717人の新しい命がこの病院で誕生しています。

多くのお母さん方が福田病院を選ぶのは、安心してお産に臨むことのできる充実した医療体制に加え、多くの魅力があるためです。まず、リゾートホテルで休日を過ごすかのように迎えることのできる施設とサービスの存在です。院内には女性専用のメディカルフィットネスクラブやエステティックサロンが開設されています。そして、高級レストランに匹敵する上質な食事サービスの導入が、福田病院の名を県の内外に広めるきっかけとなりました。

大塚博総料理長。「レストランのスタッフは患者様を『いらっしゃいませ』の挨拶でお迎えします。接客5大用語の唱和もしています」とおっしゃいます

大塚博総料理長はこう振り返ります。「私が入職した1985(昭和60)年秋には、お産を終えた患者様※とご家族1人をお招きし、フランス料理のフルコースを提供するルームサービスが始まり、このサービスと同時に患者様専用のレストランが開設されました。ホテルを訪れるゲストは、心地よい空間で、行き届いたサービスを受けて過ごす時間を楽しみにしておられますよね。その最大の楽しみの一つが食事です。出産という人生のイベントを迎える患者様は、ここで安心して医療を受けることができるのですから、それ以外に施設に期待する要素はホテルと変わらないはずです。ですから、フランベをしたり、ピアノやフルートの生演奏を導入したりするなど、演出を含め、食事をする時間を楽しむためのおもてなしに力を入れてきました」(大塚総料理長)。

※妊娠や正常分娩は「病気」ではなく、妊産婦の方々も「患者」ではないとされています。本記事では、福田病院様の言葉遣いにならい、「患者様」と表記しています。

「厨房も家と同じ。3つ目のレストランで満足のいく厨房ができた」

院内には3つの患者様専用レストランを含め4つのレストランがあり、食事制限などのない産後の患者様は、これらのレストランで食事をしていただいています。

現在、お祝いのルームサービスは、ブッフェ形式の朝食やティータイムも行うメインダイニングの洋食レストラン「レ・セゾン」でのお祝いディナーに形を変えました。和食レストラン「四季亭」では、好みのネタをその場で握る寿司、揚げたての天ぷら、打ちたてのそばなどを提供しています。2019(令和元)年には、暖炉のある空間でローストビーフやシュラスコといった肉料理を提供する「シンプソンズ」がオープンしました。

「シンプソンズでは店舗を劇場に、厨房をその舞台に見立て、肉を焼いたり、切り分けたりする姿を患者様に見てもらえる、ライブ感のあるレストランにしたいと考えました。『家は3回建てないと満足のいくものにならない』と言いますね。厨房も同じなのかもしれません。このレストランは私が携わった3つめの患者様専用レストランです。厨房面積は広くないのですが、20年以上付き合いのあるfujimakの担当者が私の細かい要望を取り入れ、演出と作業効率を両立させた、自慢のオープンキッチンに仕上げてくれました」(大塚総料理長)

フロア中央に暖炉のある「シンプソンズ」のダイニングエリア。テーブルの天板には無垢材が使われています
シンプソンズで提供しているローストビーフ。コンビオーブンで焼き、患者様の前で切り分けて盛り付けます

総料理長のこだわりを厨房設計に反映

シンプソンズで大塚総料理長がこだわったメニューの一つが、シュラスコだったそうです。「焼き台は肉や野菜に火が適切に入る高さにし、かつ、その様子が客席の患者様からも見えるようにしたいと要望を伝えたところ、台の高さをうまく設定してくれました。使わないときに収納場所に困る金串も、ディスプレーとして見栄えが良いようにと、収納スペースをコンビオーブンの側板に特注で据え付けてくれました。こうした現場ごとに異なる細かな課題を解決できるのが、厨房を知るメーカーならではだと思います」(大塚総料理長)。

金串はコンビオーブンの側面に収納しています(写真囲み部分)。「バリオを使ってみて『コンベクションオーブンの次の機器はこれだ!』と思いました。皆で活用しています」(大塚総料理長)
冷蔵庫の扉は、オーダーメイドのローズカラーです。「レストランを利用なさるのが全員女性ですので、空間を華やかな感じにしようとこの色を選びました」(大塚総料理長)

「思い出の食」を食育の場に

大塚総料理長によると、福田病院の食事には患者様に楽しんでいただくこと以外に、一種の使命があるとおっしゃいます。「当院での食事は、退院後の食卓の基盤を作る上で欠かせない、1日3食の食育体験の場です。美味しいと感じたら、食材に興味を持ってくださいますよね。契約農家の有機野菜や無農薬栽培の米などを口にして、安全安心な食材の美味しさを知り、健全な食事の基礎を作っていただきたいです。節句など季節や伝統を感じる行事食を大切にしているのも食育の一環です。日本の良き食文化を次代に継承していってほしいと願っています」(大塚総料理長)。

福田病院では、調理部門と栄養部門が協力してメニュー作りを進めています。栄養サービス部の緒方恵子部長が行事食についてこんな話をしてくださいました。「妊娠中には母親学級で栄養バランスの大切さなどについて指導をしますが、座学だけでなく、実際に自分が食べてみることで理想の形が分かります。中でも、出産をしたときの行事は思い出として残りますので、行事食は盛り付けを含め、特に力が入ります」(緒方部長)。

栄養サービス部長の緒方恵子様

緒方部長によると、福田病院では、退院後も、患者様やお子さんが参加できる食関連のイベントを開催しているのだそうです。「お母さんと小学校1年生になったお子さんを1991(平成3)年に開園した当院の農園に招待して、田植えや稲刈りをします。コロナ禍で休止していましたが、今春から再開する見込みです。準備は大変ですが、私たちもとても楽しみにしています」(緒方部長)。

この話を笑顔で聞いていた大塚総料理長がおっしゃいました。「例えば、夏になると、熊本城を望むテラス席で流しそうめんをします。そんなこと、しなくても誰もとがめませんよ。でも、汗をかいて、そういう趣向を実行に移したら、患者様が喜んでくださる。思い出にも残ります。こうした地道な行動を一つひとつ積み重ねていくことが大切なのだと思います」(大塚総料理長)。

熊本城を望むテラスで、大塚博総料理長(右)と緒方恵子栄養サービス部長(左)

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施設名 社会医療法人愛育会 福田病院
所在地 熊本市中央区新町2丁目2-6
電話 096-322-2995
開設 1907年5月
診療科目 産科、婦人科、乳腺外科・肛門外科、生殖内分泌外来、東洋医学漢方診療科、小児科、麻酔科
Webサイト https://www.fukuda-hp.or.jp/