お客様事例日本赤十字社医療センター
「キッチンリンク・クラウド」がもたらした、「正確な履歴を追える」安心
日本赤十字社医療センターでは、管理栄養士や委託先の調理スタッフがタブレットなどを用いて「キッチンリンク・クラウド」の管理画面を確認しています
東京都渋谷区の日本赤十字社医療センターは2025年春、温度管理システム「キッチンリンク・クラウド」を給食調理の現場に導入なさいました。計測精度の高さだけでなく、冷機器本体の入れ替えが不要で、機器増設にも対応できる柔軟性、温度の自動記録による省力化などにメリットを見出し、他システムからのリプレースを決めたそうです。衛生管理のさらなる信頼性向上に取り組んでおられる栄養課の責任者に、キッチンリンク・クラウド導入の詳しい経緯と、現場での役立て方についてお話をうかがいました。
日本赤十字社の病院の中で
もっとも早く誕生
- 日本赤十字社医療センター医療技術部栄養課の宮司智子課長
東京都渋谷区広尾の日本赤十字社医療センターは、日本赤十字社が国内90カ所で運営する病院の中でもっとも早く誕生した医療機関です。源流は1886(明治19)年設立の博愛社病院で、1922(大正11)年に開設された日本赤十字社産院を統合して、日本赤十字社医療センターとなりました。診療科目数は41で、病床数は645床。特に小児・周産期医療、がん診療、救命救急、災害救護の4領域に力を入れており、東京都目黒区、世田谷区、渋谷区をカバーする医療圏の中核病院として、地域の医療に貢献しています。
- 「キッチンリンク・クラウド」のシステムイメージ
日本赤十字社医療センターの患者給食は、給食委託会社への完全委託によって運営されています。2025年3月には、入院患者様向けの食事を調理・保管する厨房に、冷機器の庫内温度や稼働情報をインターネット経由で自動管理する、クラウド型の温度管理システム「キッチンリンク・クラウド」を導入なさいました。
「食材や食品の適切な温度管理は、安全な食を提供する上で欠かすことができない要素です。外部機関から病院の機能評価を受ける際も、その取り組み状況がチェックされます。当センターは長年、冷機器の温度記録には別の温度管理システムを使ってきましたが、システムが古くなったこともあり、より計測精度が高い設備に更新することにしました」と、医療技術部栄養課の宮司智子課長はおっしゃいます。
「機械に任せられる部分は自動化して、
作業効率を高める」
温度管理システムは複数の製品・サービスが各社からリリースされています。その中でキッチンリンク・クラウドをお選びいただいた理由は、計測精度の高さに加え、キッチンリンク・クラウドのシステムが、給食調理の現場が抱える課題を解決する手がかりになると考えたからだそうです。
その典型が、省力化への貢献です。センター内の厨房には、冷蔵庫・冷凍庫が合計19台あります。従来のシステムでは、調理スタッフが数時間おきに、すべての冷蔵庫や冷凍庫の庫内温度をチェックして帳票に記録をつけていたそうです。これに対してキッチンリンク・クラウドは、冷蔵庫や冷凍庫内の温度をセンサーが常時計測し、データをインターネット経由でクラウド上に自動で記録します。
「給食業界は人手不足です。特に当センターは都心に立地していますので、調理スタッフの確保は容易ではありません。機械に任せられる作業は自動化して、作業効率を高めておくべきだと考えました」(宮司課長)
- 冷機器やキッチンリンク・クラウドだけでなく、コンビオーブンや冷温蔵配膳車など、数多くのfujimak製品・サービスをお使いいただいています
また、多額の投資を伴うことなく、システムの置き換えが容易にできる点も、導入へのハードルを下げました。キッチンリンク・クラウドは、温度管理システムに対応していない冷機器でも、庫内温度を計測するセンサーを内蔵した、通信用の子機を設置できます。その際、大がかりな工事は不要です。「新規に冷蔵庫を買うのではなく、子機を設置すれば、これまで使ってきた冷蔵庫や冷凍庫をそのまま使えるのは助かります。データ通信は私たちの専門外でしたが、fujimakの担当者が、病院事務局へのシステム説明を含め、フォローをしてくれました」と宮司課長はお話しになります。
- 冷蔵庫内に設置したキッチンリンク・クラウドの子機(上左写真)と、厨房内に設置した親機(下右写真)
給食会社と運用方法を検討し、
チェックリストを更新
日本赤十字社医療センターでは、キッチンリンク・クラウド導入を契機に、調理に関する業務の点検方法も見直したそうです。「食材や食品の温度管理について、誰が、いつ確認をして、対応を含めたエビデンスをどのように残すかについて給食委託会社さんと相談してルールを決め、業務のチェックリストも更新しました」(宮司課長)。
- 給食調理の業務点検表。赤枠内が温度のチェック部分です。キッチンリンク・クラウドは冷機器の庫内温度だけでなく、室内の温度と湿度を計測できるため、室温と湿度についても確認をしています
キッチンリンク・クラウドでは、庫内温度が設定温度を逸脱すると、指定しておいたアドレスにエラーのメッセージがメールで届きます。日本赤十字社医療センターでは、早番で出勤した調理スタッフが、芯温計の動作確認などと併せて、前日の終業時刻以降のエラーメールの有無を確認します。エラーがあった場合、どのような対応をしたかも記録するルールとしています。
「調理業務を委託で運営している当センターの場合、衛生管理のシステムを実効性のあるものにするためには、給食委託会社さんの協力が欠かせません。委託先の給食会社さんは、キッチンリンク・クラウドの管理画面を機器のそばでも確認できるようにと、確認用タブレットを導入してくださいました。衛生管理の質向上に積極的に関わってくれる姿勢がありがたかったです」(宮司課長)
最後に宮司課長は、「つい先日、このシステムの便利さを実感する出来事がありました」と明かしてくださいました。
「以前、食事提供においてトラブルが発生したことがありました。食事提供までのプロセスの中で、納入時、保管、配膳時、配膳後のどこかで発生したと考えられましたが、庫内温度の履歴をたどることで、保管時が原因だったとわかり、適切な再発防止策を講じることができました。今後も、安全な食事を患者様に安心してお召し上がりいただける衛生管理の仕組みを、給食委託会社さんと協力しながら追求していきたいと考えています」(宮司課長)
- 宮司課長は、fujimak担当者の対応について「厨房機器について困ったことがあると、すぐに対応してくださるので助かります」とご評価くださいました
関連製品・サービス
| 施設名 | 日本赤十字社医療センター |
|---|---|
| 許可病床数 | 645床 |
| 経営 | 日本赤十字社 |
| 所在地 | 東京都渋谷区広尾四丁目1番22号 |
| 病院開設 | 1886年(源流となる博愛社病院の開設年) |
| Webサイト | https://www.med.jrc.or.jp/ |