お客様事例金谷ホテル「ザ・金谷テラス」

150年の伝統が詰まった
百年カレーパイを支える
“再現性”の仕組み

「ザ・金谷テラス」は東武日光駅の構内にあるカフェ。主に電車を待つお客様が利用されます

明治時代に創業し、数多くの賓客をもてなしてきた金谷ホテル。150年にわたり受け継がれてきたその味は、今、時代に合わせた形で進化しながら継承されています。その象徴ともいえるのが、大正期のレシピをもとに復刻された「百年ライスカレー」、そしてそれを包んだ「百年カレーパイ」です。こうした伝統の味を、誰もが同じ品質で提供できるようにするため、金谷ホテルではレシピの再構築や調理工程の標準化といった仕組みづくりを進めています。今回は、その取り組みの一端を担う東武日光駅構内のカフェ「ザ・金谷テラス」をご紹介します。

150年の歴史に刻まれた
「味」をどう受け継ぐか

金谷ホテルは1873年に開業。現在営業中のリゾートホテルとしては日本最古とされる老舗ホテルであり、アインシュタインやヘレン・ケラーなど、世界の賓客を迎えてきました。2023年には創業150年を迎えています。

日光金谷ホテルは1873年開業。登録有形文化財に認定されている由緒ある建物です
14代目総料理長(初代統括総料理長)の中川浩司氏。金谷ホテル以外にも同ホテルが運営するカフェやレストランなどのメニューも開発しています

その伝統の味を守り続けているのが、14代目総料理長(初代統括総料理長)で、執行役員でもある中川浩司氏です。金谷ホテルの伝統の味を守りつつ、新しいメニューも貪欲に積極的に開発し、幅広い層のお客様を虜にしています。ホテルのメインダイニングだけでなく、カフェのメニューまで幅広く監修し、伝統を守りながら新たな魅力を生み出しています。

「誰でも同じ味」を実現する
仕組みづくり

伝統の味の継承に欠かせないのは、再現性だと中川氏は語ります。かつてのレシピ帳には材料名は記されていても分量や工程は曖昧で、職人の感覚に依存する部分が多くありました。そこで中川氏は、すべての料理についてレシピの再構築を進め、分量や加熱条件まで細かく数値化。データとして共有できる形に整理しています。

さらに、「同じ品質を安定して再現する」という観点では、厨房機器の役割も重要になります。「感覚で行っていた加熱を数値で管理し、それを確実に再現してくれる存在が必要です」。こうした考えのもと、金谷ホテルではfujimakのスチームコンベクションオーブンなどを多数導入し、調理の標準化を支えています。

貴重な資料である昔のレシピ。芸術作品のようです(写真)。中川統括総料理長が新たに作成している詳細なレシピ。金谷ホテルの新たな宝となっています(写真)
焼きあがった百年カレーパイはサクサク、アツアツです

数々の看板料理を提供されていますが、2003年の創業130年の年に、新たなメニューが加わりました。それが「百年ライスカレー」です。蔵に眠っていた大正期のレシピが発見され、それを基に当時の味を再現したカレーです。そして、ライスカレーに続き、このカレーをパイで包んだ「百年カレーパイ」が誕生。2006年に東武日光駅構内にオープンした「ザ・金谷テラス」でも販売されるようになりました。2007年にオープンした日光東照宮内のレストラン「宮庵」でも提供したところ、多い時は販売個数が1日1000個以上にも上りました。

限られた空間で、
品質とスピードを両立させる

駅構内という限られたスペースの中で、求められるのはコンパクトさと高い機能性の両立です。ザ・金谷テラスでは、当初fujimakの「ジェットミニ」を導入し、その後、後継上位機である「ジェットプレスト」へと切り替えました。

「サイズ感がちょうどよく、カウンターの後ろに設置しても違和感がありません。デザインもスタイリッシュなので、お客様の目に入る場所でもプラスに働いています」(中川統括総料理長)

コンパクトでスタイリッシュなジェットプレストは、広いスペースを確保できない店舗にもぴったりの機器です

“外はサクッと、中はアツアツ”を
支える加熱技術

ジェットプレストは、ジェット噴射加熱とマイクロウェーブ加熱を組み合わせた独自の方式により、短時間で均一な加熱を実現するオーブンです。ザ・金谷テラスでは、カレーパイを冷凍状態でストックし、一定量をあらかじめ焼き上げてショーケースにて保温し、注文に応じて提供しています。ジェットプレストを使うことで加熱ムラなく焼き上がり、しばらくショーケースに入れていてもサクサク感と温かさを保てます。「焼き上がり後の劣化が少ない」という点を評価いただいています。テイクアウトが多い店舗において、この“持ちの良さ”は大きな価値となっています。

冷凍から焼き上がりまでの時間は約11分と短く、加熱ムラもほとんどありません(写真)。焼き上げた後は保温ケースに並べます。時間が経ってもサクサクです(写真)

もう一つの重要なポイントが操作性です。カフェではスタッフの入れ替わりも多く、経験の違いによる品質のばらつきを防ぐ必要があります。ジェットプレストでは、温度や時間を設定して登録すれば、あとはボタン操作で誰でも同じ仕上がりを再現可能です。

「担当者ごとに微調整が必要になると、品質も作業も安定しません。誰でも簡単に扱えるというのは非常に重要です」(中川統括総料理長)

現場のスタッフの皆さんからも「操作が簡単で失敗の心配がない」「清掃も負担が少ない」といった声が聞かれています。

伝統を守るのは、
「不変」ではなく「進化」

中川統括総料理長は、伝統の継承についてこう語ります。「レシピをそのまま守るだけでは、お客様に満足いただき続けることはできません。時代に合わせた進化も必要です」

例えば、若い世代に向けた見せ方の工夫や、提供スタイルの変化なども取り入れています。その上で、「誰でも同じ品質を実現できる仕組み」と「それを支える厨房機器」が、伝統を未来へつなぐ基盤になると考えています。

150年の歴史を持つ金谷ホテルの味は、こうした仕組みと現場の工夫、そしてテクノロジーの力によって、次の時代へと受け継がれていきます。

「後進の育成にも力を入れています」と話す中川統括総料理長。入社1年目のスタッフの意見もどんどん取り入れてメニュー開発をしているそうです

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ジェットプレスト

この製品について詳しく
店舗名 ザ・金谷テラス
所在地 栃木県日光市松原町4-3(東武日光駅構内)
席数 5席
営業時間 10:30~12:00、13:00~17:30
開業 2006年3月
Webサイト https://www.kanayahotel.co.jp/terrace/