お客様事例PRIMO PASSO(プリモ パッソ)

「パスタの無限の可能性」を、
“映える”キッチンで表現

PRIMO PASSOの店内。カウンター8席のほか、個室(6人まで)があります

開業からわずか1年余りで星付きレストランの仲間入りを果たした東京・築地のイタリアン「PRIMO PASSO(プリモパッソ)」。南イタリアの三つ星店でパスタ場の責任者を務めた気鋭のシェフによる、パスタの奥深さを表現したコース料理が多くのゲストを魅了しています。1992年生まれの藤岡智之シェフは、「機器が “映える”スタイリッシュなオープンキッチンで料理を作る様子を、リラックスできる客席から楽しんでいただきたい」と、店舗空間の在り方にも独自のお考えをお持ちです。

開業から1年余りで
ミシュランの星を獲得

2024年10月に発表された『ミシュランガイド東京2025』で1つ星を獲得し、星付きレストランの仲間入りを果たした「PRIMO PASSO」。1992年生まれの藤岡智之シェフは、国内外の星付きレストランで研鑽を積み、イタリア・ナポリの三つ星店「クアトロ パッシ」でパスタ場の責任者を務めた経歴の持ち主です。帰国後、2023年5月にPRIMO PASSOを開店なさいました。

藤岡智之シェフ。ご実家は金沢の寿司店で、自然と料理の道を志すようになったそうです。辻調理師専門学校を卒業後、株式会社ひらまつのイタリア料理店「ASO」勤務などを経て南イタリアのナポリで経験を積まれました

店舗はパスタを基軸に据えた「おまかせコース(1万6500円~)」主体の営業です。このおまかせコースには、ユニークな特徴が2つあります。まず、提供する料理11~12品のうち、5品がパスタである点です。幼いころからパスタが好きだったという藤岡シェフは、このコースでパスタの奥深さをお客様に楽しんでいただきたいとお話しになります。

「パスタは形によって食感が変わり、合わせるソースによって味わいも変化します。手打ちと乾麺で持ち味が異なるなど、いろいろな表現の仕方があります。無限の可能性がある食材と言っていいでしょう。日本でイタリアンと言えばパスタをイメージなさるお客様が多いので、せっかくなら、パスタをメインに据えてコースを組み、パスタの奥深さを存分に味わっていただこうと考えました」(藤岡シェフ)

パスタが5品も提供されると聞き、「重いのではないか」と感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、パスタ1皿あたりのポーションは30~40gと控えめになっています。食材による季節感、見た目、香りなど、さまざまなテーマで趣向を凝らした皿が、オープンキッチンからカウンター席にテンポよく運ばれます。その様子は、職人が寿司を握り、お客様がそれを一貫ずつ口に運んでいく、寿司店の形態に通じるものがあります。寿司もパスタも「出されたら、すぐに食べる」のが基本。「寿司店のカウンターのようにリズミカルにお出しできているかと言えばまだまだですが、そんな世界を目指しているのは事実です」と藤岡シェフはおっしゃいます。

おまかせコースのパスタメニュー例。スモールポーションでの提供です

日本料理の考え方を
採り入れたメニュー構成

PRIMO PASSOのコースにおけるユニークな特徴の2つめは、日本料理の献立の考え方を採り入れていることです。旬の食材を使って季節感を表現するのはもちろん、食べ手のコンディションに配慮した流れを心がけているそうです。

「コースの始まりとなるスープ料理は、冬は胃を温めるために温製を、夏はほてった体を冷やしていただくために冷製をお出ししています。これは日本料理の考え方と同じですね。考え方だけでなく、和食のメニューである茶碗蒸しをお出しすることもあります。次に、ズシンと来るもので胃を刺激したいので、お客様の目の前でスライスした生ハムを載せた、オリジナルの揚げピザを提供しています。その後も、強弱を意識して次の皿につなげるようにしています。『あれだけ多くのパスタが出てきたのに、胃もたれせずに最後までしっかりと食べられた』というお声を聞くとうれしいですね」(藤岡シェフ)

おまかせコースで提供している魚料理と肉料理の例です

リラックスできる客席と、
スタイリッシュな厨房

コースの組み立てと同様、客席スペースも和を強く意識した内装です。スポット照明を効果的に用いた店内は落ち着いた雰囲気で、天井は神社や仏閣にみられる、木材を格子状に組んだ格(ごう)天井となっています。一枚板カウンターのある砂壁調の壁には一輪挿しや有田焼の器などが飾られています。「お客様にはリラックスして料理を楽しんでいただきたい。それには和の雰囲気がふさわしいと考えました」と藤岡シェフはおっしゃいます。

地下1階にある店舗のエントランス付近(写真左)と個室(写真右)。日本料理店と言われても違和感のない、和の空間が広がっています
地下1階にある店舗のエントランス付近(写真上)と個室(写真下)。日本料理店と言われても違和感のない、和の空間が広がっています

これとは対照的に、カウンター越しに見えるオープンキッチンは、ビビッドな赤が目を引く生ハムスライサーの背後に、現代的でスタイリッシュな空間が広がります。「お客様には、リラックスして、調理をしている様子を客席から眺めながら料理を楽しんでいただきたいです。厨房を舞台に見立て、厨房機器も、調理する私の手元も見ていただくようにしたかったので、機器が“映える”ように、全体としてすっきりとした印象にする必要がありました」と藤岡シェフ。このため、客席から見て背景の一部となるステンレス製の吊り戸棚は、扉が平面で、取っ手が見えない特注品にしたそうです。

スタイリッシュなオープンキッチン。厨房という舞台を「眺める」ことができるよう、カウンター前のサービス動線の奥行きを深くして、厨房とカウンター席との間に一定の距離を確保したそうです

「fujimakの機器には、
使い始めてから便利さを
実感できる機能がある」

fujimakは、PRIMO PASSOの厨房設計と施工をお手伝いさせていただきました。コンビオーブンや冷蔵庫、特注の吊り戸棚やヒートランプなど、機器類も多くご採用いただいています。「担当の方には、いろいろとわがままを聞いていただきました。例えば、厨房の天井高がヒートランプを設置するには少し足りなかったのですが、バランスをうまく調節して取り付けてくれました。開業後も、何かあったらすぐに対応してくれるのが助かります」と藤岡シェフ。

機器についてもコメントを頂戴しました。「fujimak製品は見た目がスタイリッシュで、当店で実現を目指したオープンキッチンのコンセプトにぴったりでした。機能面では、便利な機能が備わっていることを、使い始めてから実感しています。例えば、コンビオーブンには、数多くのメニューの調理プログラムがあらかじめ登録されています。茶碗蒸しやシュー生地、クッキー生地などを、『作ってみよう』と思ったときに、ベースになる加熱時間や温度が入っているので、そのプログラムを自分好みにアレンジするだけで済みます。思ったことをすぐに行動に移せるのはいいですね」(藤岡シェフ)。

扉が平面の吊り戸棚。扉の下部が取っ手として機能する形状に加工されています(写真左)。大型の冷蔵庫やワインセラーは客席の背面に収納されています(写真右)
扉が平面の吊り戸棚。扉の下部が取っ手として機能する形状に加工されています(写真上)。大型の冷蔵庫やワインセラーは客席の背面に収納されています(写真下)

藤岡シェフはナポリに滞在した4年間で、海沿いの街にあった「クワトロ パッシ」だけでなく、山あいの1つ星レストランや、繁華街のトラットリアにも勤務していたそうです。「シンプルなのに滋味深い。これが南イタリアの料理の魅力です。私は海、山、街と、ナポリのさまざまな立地で、その土地に根付いた食材とメニューを知る機会に恵まれました。この店で、その素晴らしさを表現し続けていきたいです」(藤岡シェフ)。イタリアでの経験で身に着けたレシピに独自の美学を加えた魅力的な一皿が、日々、PRIMO PASSOの厨房から生まれます。

「ミシュランの星を獲得してから、ご予約の件数が増えました。お一人でお越しになるお客様もいらっしゃいます」と藤岡シェフ

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店舗情報

店舗名 PRIMO PASSO(プリモ パッソ)
所在地 東京都中央区築地1-5-11 ACN築地ビルB1F
営業時間 17:00~23:30(17:00〜と20:30〜のコース予約のみ)、水曜定休
電話 03-6826-9672
開業 2023年5月
Webサイト https://ppasso.jp/