お客様事例焼きたてパン工房 un fil (アンフィル)

地域に愛される、正直で、ロックなパン屋さん

「un fil」の店内から見た工房。オープンキッチンになっています

「地域に愛されるパン屋さんの開業が夢でした」。こうおっしゃるオーナー様が岡山市に開業した、地域密着の製パン店です。国産小麦を100%使用し、幅広い層に親しまれる菓子パンや調理パン、焼き菓子など、30種類以上の商品を提供しています。豊かな発想から生まれるオリジナル商品の数々と、お客様に隠しごとをしない正直な姿勢、そして、有名ロックバンドのファンであるオーナー様の遊び心が、お客様に笑顔を届けます。

仕込みは深夜1時スタート

岡山市から瀬戸内海を渡って香川県へと伸びる国道30号線沿いの住宅地。部屋の明かりが消え、中長距離のトラックが次々と国道を駆け抜けていく深夜1時、古民家に手を入れた焼きたてパンの店「un fil(アンフィル)」の工房で仕込みが始まります。製パン店は豆腐店や牛乳販売店などとともに早起きの店舗が多い業種として知られますが、1時といえば、真夜中です。「パンは30種類以上を並べます。店内の棚を見たときに『わっ、いっぱいある!』とワクワクしてほしいですから。私一人で全ての仕込みをしていますので、この時間から始めないと朝9時のオープンに間に合わないんですよ」と、オーナーの草下雅子様はおっしゃいます。

開業は2023年の5月。店名のun filは、「1本の糸」を意味するフランス語です。パンをきっかけに地元の人や、お客さんをつないでいきたいとの思いでこの店名にしたそうです。提供しているパンや焼き菓子は全て、国産小麦100%使用。原材料に関するこのポリシーは、お客様への約束であるため、店名と一緒に必ず書き添えています。

挨拶を兼ねて近隣の団地を訪問してテストベイクした商品を配り歩いた以外、特別な販促はしていないそうですが、「小さなお子様からお年寄りまで、毎日食べても飽きが来なくて、安全な商品をお出ししたい。お客様への隠し事も一切しないようにしています」という草下オーナーのまっすぐな思いは、パンの魅力とともに地域に受け入れられ、開業するとすぐに繁盛店となりました。

店舗外観。2023年5月6日の開業日、軒先にツバメが巣を作ったそうです

お年寄りが1日に2回買い求める商品も

商品は、食パンやクロワッサンといった定番のほか、調理パン、デザートテイストのパン、焼き菓子など30種類以上。その商品も、地域の皆さんに親しまれる店にしたいという草下オーナーの姿勢が反映されています。

1番人気が、オリジナルのカレーパン。具材のカレーには、豚の角煮とウズラ卵がまるごと1個入っています。「岡山には、地元の人が大好きな、ソウルフードのような豚まんがあります。その具材が角煮とウズラです。そのなじみ深い組み合わせをカレーパンに応用しました」(草下オーナー)。誰でも食べられるよう、辛さは控えめ。そして、胸焼けしないように、パンは揚げるのではなく、オーブンで焼いて提供します。

これに続く売れ筋商品が、「あん塩バターロール」です。こしあんを使い、ゴマを振った、和テイストのバターロールです。ほどよい塩の加減がポイントで、草下オーナーは、「『さっき食べたら、おいしかったから』と、お年寄りが1日に2回買いに来てくださいました」とエピソードを披露してくださいました。店内にはこのほか、年配客を意識した、「おやき(高菜)」なども並んでいます。

「カレーパン」(330円)の断面。午前中に売り切れることも多いそうです
「あん塩バターロール」(手前、200円)

清潔さをアピールする工房に最適なfujimakのオーブン

un fil様では、コンベクションオーブン、デッキオーブン、ホイロ(発酵器)のほか、ドゥコンディショナー、コールドテーブルなど、fujimakのベーカリー関連機器を多数ご採用いただいています。先ほどご紹介した看板商品のカレーパンも、上下からの熱で生地を加熱するfujimakのデッキオーブンを使用しておられるそうです。

「お客様に隠しごとをしたくないので、工房はオープンキッチンにしています。fujimakの機器はどれもスタイリッシュなデザインなので、見せる上でも最適ですね。前面の黒いパネルは、汚れが付着すると目立ちます。こまめに清掃する習慣がつくのでよいですね。コールドテーブルもスタイリッシュなだけでなく、センターピラー(中柱)がないので中身を取り出しやすく、扱いやすいです」(草下オーナー)

工房。コールドテーブルの天板上を作業台としてお使いになっておられます

『自分の店だから』、個性をプラス

草下オーナーは、開業当初、製パンも販売も全て1人でこなす、〝ワンオペ〟状態が続いたそうですが、最近、レジ前に立つ販売のスタッフが加わったため、営業時間中にも追加でパンの焼成ができるようになったことが嬉しいとおっしゃいます。

「地域に愛される焼きたてパンの店を開くのが夢でした。『○○が焼き上がりました』と言いながら工房から出ていくと、『わぁっ、焼きたてだわ』と言いながら、お客様がその商品を自分のトレーに載せてくださると、なんとも言えず幸せな気分になります。販売スタッフが加わって余裕ができ始めましたので、これからできることを増やしていきたいですね」と草下オーナー。製パン店に勤務する前は、デザート作りを仕事にしていたため、デザート関連のレシピも豊富にお持ちです。ソフトクリームやデザートを提供するイートインのカフェスペースを開設して、「お客さんをつないでいく」場としての幅を広げていきたいそうです。

草下オーナー。持っている私服は全て黒だそうです。

お子様からお年寄りまで楽しめるパンが揃った、地域に愛される優しいお店。それは間違いなくun filの魅力の一つですが、魅力の全てではありません。棚を前に、パンを愛おしそうに並べる草下オーナーの左耳には、少し大きなシルバーのピアスが。実はご本人、ロックやヘビーメタルがお好きなのだそうです。お気に入りは、ビジュアル系ロックバンドのX JAPAN。明け方に工房で流しているBGMも、店内のBGMも、ロックなのだそうです。X JAPANの代表曲の一つである『紅』(くれない)をモチーフにした、真っ赤で辛い『紅(くれない)カレーパン』も商品化が間近だとか。

「すごく堅いパンとか、トゲトゲしたパンなども置いてみたいですね。周囲には、『自分の店ですから、好きにさせて』と言っています」と草下オーナーはいたずらっぽく笑います。地域への一途な愛情に、オーナーの個性を加えたチャーミングなお店として、un filは今後、より多くのお客様を魅了していくことになりそうです。

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店舗名 焼きたてパン工房 un fil(アンフィル) 
所在地 岡山市南区西高崎71番地
電話 086-250-8791
開設 2023年5月
営業時間 9時~17時
定休日 月、火
インスタグラム https://www.instagram.com/yakitate_unfil/