お客様事例藏セントラルキッチン株式会社

「安心・安全」と「食べる喜び」の両立を追求した、
高齢者施設向けのセントラルキッチン

藏ウェルフェアサービスのセントラルキッチン(藏セントラルキッチン株式会社)

高齢者の体調が、どのようなコンディションにあっても食の楽しさを感じられるようにと、高齢者に寄り添った食事を提供し続けている藏ウェルフェアサービス。その温かい気持ちを支えるセントラルキッチンづくりをfujimakがお手伝いしました。HACCPの高度化認証を取得した、高い衛生管理レベルを誇る施設です。

高齢者に寄り添い、
「テーマは楽食」

「給食業界ではこれが当たり前です」という従来からの"常識"に囚われることなく、利用者本位のサービスを追求してきた藤岡和子社長

老人保健施設など、福祉施設を中心に食事を提供しているコントラクトフードサービス企業の藏ウェルフェアサービス株式会社。創業は2005年。2021年12月現在、関西一円の80施設に食事を提供しています。これらの受託施設は、既存顧客からの口コミによる紹介を通じて増えていったものだそうです。

「施設やご利用者からのお声には、即対応、即改善を実践してきました。福祉施設の食事提供は、食の幸せをお届けするサービス業。これまで解約ゼロというご評価が私どもの宝です」と藤岡和子社長はおっしゃっています。

「給食業界ではこれが当たり前です」という従来からの"常識"に囚われることなく、利用者本位のサービスを追求してきた藤岡和子社長

高い評価を得ている藏ウェルフェアサービスの企業姿勢を象徴するのが、「楽食」というコンセプトです。施設で暮らす高齢者にとって、食事は入浴とともに楽しみの一つ。365日3食、『安心・安全・美味しい』食事を提供するために、さまざまな工夫を凝らしています。栄養面の配慮や美味しさはもちろんのこと、季節感を織り込んだ行事食の提供や、「面前提供」と呼ばれる施設内でのイベント食にも力を入れています。「スタッフが施設内で寿司を握ると、普段は刻み食などを召し上がるご入居者が、『お寿司はそのまま食べたいの』と、握り寿司を口に運ばれるのです。お好み焼きを焼くと、ソースの匂いが食欲をそそりますよね。食を楽しんでいただくことを大切にしています」(藤岡社長)。

嚥下しづらい人にも
食の楽しさを提供

咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)をしづらい人向けのムース食にも、細かな配慮が表れています。例えば、肉じゃがは、すべての具材を混ぜて一つのムースを作るのではなく、それぞれの具材のムースを別々に作り、それらを盛りつけます。元気なときの食事と同じように、一つずつの具材の味を楽しめるように、との考えからだそうです。この手間を惜しまない仕事こそが、藏ウェルフェアサービスが提供する食事の姿なのだと藤岡社長は説きます。

「福祉施設のご入居者様は、私たちが提供したその日の食事が、場合によっては人生で最後の食事になるかもしれません。ですから、スタッフには、その食事を自分の親が食べる最後の食事として出しても後悔のないように仕事に取り組んでほしいと伝えています」(藤岡社長)

こうした、高齢者に寄り添い、食の楽しさを追求した結果生まれた代表的なメニューが藏ウェルフェアサービスにはあります。題して「幸せのスープ」。フランス料理の世界大会で何度も日本代表になった髙山英紀シェフとともに、嚥下力が弱くなったり、寝たきりとなったりした人でも食事を楽しめるようにと開発したスープです。トウモロコシ、カボチャなど定番7種類のほか、桃やマンゴーなど、デザート用のスープも揃えています。とろみ剤を使わず、食材本来の力で濃度を出した香り高いスープです。先ほどのムース食とともに外販も手がけており、高齢者世帯向けのギフトとして好評だといいます。

ムース食「鮭フライ」。具材ごとにムース状にし、見た目も楽しめるように盛りつけてある
とろみ剤不使用。自然な濃度で味わいやすい「幸せのスープ」(カボチャ)

HACCPの高度化認定を取得

HACCP認定証。高度化施設としては日本給食サービス協会で28番目の認定施設となる
床の立ち上がりはRをつけてゴミがたまらないように施工

高齢者向けの食事を提供している藏ウェルフェアサービスが、何より気を配っていることがあります。食の安全です。「施設の入居者は免疫力が低下していたり、体力が弱っていたりしますので、安全性に対する妥協は許されません」(藤岡社長)。このため、各施設に提供する食事の調理を担うグループ会社の藏セントラルキッチンは、食の衛生管理システムであるHACCPの中でも、より厳格な管理と運営が必要な、(公社)日本給食サービス協会の「HACCP高度化施設認定」を取得しています。

これは、厚生労働大臣・農林水産大臣の認定する基準に適合していることを証明する認定で、 国内で数ある認証機関の中でも最も厳しい基準の一つです。認定を受けるためには、

  • 交差汚染を防止する作業区分の設定
  • 調理従事者の食品の取り扱い
  • 食品トレーサビリティおよび、加熱、冷却、ホールディングなど、調理・保存の管理記録

などが高いレベルで適切に実行されていることが求められます。「厨房施設づくりと現場レベルの衛生管理について豊かなノウハウを持つfujimakさんの全面協力があって、HACCPの高度化認定を実現できました」と藤岡社長はおっしゃいます。

加熱エリアから見た、ブラストチラーが並ぶ冷却エリア
「バリオは大量の加熱調理に欠かせない厨房機器です」と、藏セントラルキッチンの村田センター長はおっしゃいます

この次も「fujimak」に

器具の保管庫はどちらのエリアからも出し入れができるパススルー式となっている

「食品衛生はHACCPの認証を受けたら終わりではありません。その施設を運営し、調理や食事提供に携わる人が衛生に対する高い意識を持ち続けられるかどうかが重要です。私たちは、人生最後の食にかかわるという、非常に重い責任を持ったサービス業に携わっているという自覚を持つよう、スタッフに働きかけています」(藤岡社長)

現行のセントラルキッチンは日産5000食対応ですが、そう遠くないうちに第2工場を建設する必要があると藤岡社長はおっしゃいます。「もちろん、その時にもfujimakさんにお願いしようと思います」(藤岡社長)。

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会社名 藏セントラルキッチン株式会社
所在地 大阪府松原市岡6丁目6番25号
電話 072-335-0111
FAX 072-335-0222
設立 2018年4月(2018年6月より配食開始)
営業種目 福祉・介護・医療・民間施設等への給食提供
建物概要 敷地面積:1147m²/延床面積:913m²/構造:鉄骨造り 2階建て
生産能力 最大5000食/日
施設認定 HACCP高度化認定(17年9月認定 日本給食サービス協会)
Webサイト https://www.kura-central.co.jp/