お客様事例くりのみ保育園
園児が思わずのぞき込むガラス張りの給食室
食を身近に感じる環境が食育につながる
「なにをつくってるの~?」と、子どもたちは興味津々でのぞき込みます
緑豊かな東京都練馬区東大泉の住宅街に根付いて半世紀以上もの間、地域の子どもたちの保育を担ってきたのが「くりのみ保育園」です。都内では貴重な、広々とした開放感あふれる土の園庭が特徴的なこの園では、数年前から創立以来初めてとなる園舎建て替えプロジェクトに取り組まれ、2026年5月、開放的なデザインの新園舎をオープンされました。吹き抜けや木をふんだんに取り入れた新園舎の玄関近くには、ガラス張りの給食室を配置。今日も園児たちは調理の様子をのぞき込みながら、大好きな給食の時間を心待ちにしています。なぜこのような給食室にしたいと考えたのか――。食育に対する思いもご紹介します。
アフリカの円形住居にヒントを得た
「大きな一つの家」
社会福祉法人大泉きくみ会が運営するくりのみ保育園は、1968(昭和43)年に開園した認可保育園です。「こどもの幸せを地域で育む」を理念に掲げ、土や緑に触れながら心と体を育む“五感保育”を実践されています。
完成した新園舎では、釘を使わずに木材を組み上げる伝統工法「木組み」を採用しました。床や家具はもちろん、天井を支える大きな梁や柱にも木がふんだんに使われ、園舎全体に心地よい木の香りが漂います。設計を手掛けたのは、自然素材を生かした保育施設の設計で知られる戸室太一建築設計室です。
- 新園舎のホール。丸をモチーフとした照明や、高い天井を支える太い梁が特徴的です(提供:くりのみ保育園)
- 新園舎の模型。園庭は、園児らが活発に遊べるようにと高低差と回遊性の要素をリクエストされ、現在、工事が進行中です(提供:くりのみ保育園)
建て替えプロジェクトの中心となった須藤緑副園長は、新園舎のコンセプトについて次のように語ります。
「園の定員は1歳から5歳まで合計61人。認可保育園としては小規模ですが、私たちはそこに価値があると考えています。年上の子どもたちが年下の子どもたちを自然に見守るような、『大きな一つの家』のような保育園にしたいと思いました。アフリカの集落に見られる円形住居から発想を得ました」 と、須藤副園長。
作り手の顔が見える
ガラス張りの給食室
- 玄関近くの棚には給食の見本を設置。この日は園児に大人気のカレーライスでした。旬の食材を使うほか、行事食にも力を入れ、家庭での会話のきっかけづくりとなっているそうです
こうした遊び心あふれる新園舎の玄関近くに設けられたのが、大きなガラス張りの給食室です。園児たちにとって、『食べる』『寝る』『遊ぶ』は成長の土台です。
食育を大切にする園の思いを設計に反映し、子どもたちが日常的に“食”を身近に感じられる給食室が設けられました。
給食室は、園児たちが背伸びをしなくても中の様子が見えるよう、廊下より一段下がった位置に配置されています。
「給食室をのぞくことが日常になれば、『今日は何を作っているのかな』と食への関心が高まります。苦手な野菜を克服するきっかけにもなるかもしれません。調理スタッフを名前で呼ぶ子もいて、作り手の顔が見えることで感謝の気持ちも自然に育まれるのではないかと思います」(須藤副園長)
3社の比較検討から始まった
給食室づくり
- くりのみ保育園で働かれて40年になるという須藤緑副園長
園児たちの大切な“食”を支える給食室の設計・施工を担当したのはフジマックです。厨房にはコンビオーブン(スチームコンベクションオーブン:スチコン)をはじめ、ガステーブル、縦型冷凍冷蔵庫、検食用冷凍庫などが導入されています。
新園舎で給食室をゼロから整備することになった須藤副園長は、当時を振り返ります。
「私は保育の専門家で、厨房機器についてはほとんど知識がありませんでした。そのため設計士さんに相談し、3社をご紹介いただいて比較検討を始めました」
各社から提出された機器や見積書を一つひとつ調べて一覧化し、展示会にも足を運びながら検討を重ねたそうです。
厨房機器に詳しくない立場に
寄り添った提案が決め手に
数ある候補の中からfujimakを選んだ理由について、須藤副園長は次のように語ります。
「資料を色分けしたり、図面を拡大して送ってくださったりと、説明が丁寧でした。私たちの園の規模は決して大きくありませんが、子どもたちのためにより良い給食室をつくりたいという思いを真摯に受け止めてくれたのです」
必要以上の設備を勧めなかったことも大きな評価ポイントだったと続けます。規模に合った必要十分なコンビオーブンを提案したことで、コストを抑えながら適切な設備構成を実現でき、満足されていました。
最終的にメーカー選定の決め手になったのは“人”だったと須藤副園長は振り返ります。
「人を育てる仕事をしているからこそ、人そのものに注目しました。この方たちにお任せしたいと思った。その要素が大きかったです」
- 給食室の全景。右側にガステーブル、コンビオーブンなどの加熱調理、真ん中の調理・盛り付け台、下ごしらえ用のシンクを挟んで、左側に食器下洗いシンクや食器洗浄機、消毒保管庫などを配置
主菜からおやつづくりまで
コンビオーブンが主力に
新しい給食室の主力機器となっているのが、コンビオーブンです。肉や魚を使った主菜の調理をはじめ、蒸しパンやクッキーなどのおやつづくりにも活用されており、毎日の給食提供に欠かせない存在となっています。
実際に調理を担当するスタッフの皆さんに使い勝手を伺うと、高い評価の声が聞かれました。
「主菜からおやつづくりまで幅広く活躍しています。調理能力がちょうど良く、乳児・幼児・職員分をまとめて仕上げられるので助かっています」
また、日々の運用で大きなメリットとなっているのが、自動洗浄機能で、清掃負担が大幅に軽減されました。
ガラス張りの給食室の中では、こうした機器を活用しながら効率的に調理が進められています。配膳エリアは廊下と同じ高さに設計されており、調理後のワゴンをスムーズに搬出できる動線も確保されています。給食室で働くスタッフにとっても、日々の作業がしやすい環境づくりが実現しています。
- ほぼ毎日稼働するというコンビオーブン
- 給食室のガラス窓手前の配膳エリアのみ廊下側と同じ高さになっており、盛り付けしたワゴンを折れ戸の扉から搬出することができます
衛生管理機能を充実
働く人に安心をもたらす給食室へ
新しい給食室では、食中毒防止に欠かせない衛生管理機能の強化にも力を入れています。
集団給食では、万が一の事態に備え、原材料や調理済み食品をマイナス20℃以下で2週間以上保存することが求められています。新たに導入した検食用冷凍庫は、この2週間分の食品を余裕をもって管理できる仕様です。
「包丁・まな板殺菌庫や電解次亜塩素酸水生成装置を導入し、衛生管理体制も強化し、安心感が大きく向上しました」 と須藤副園長。調理スタッフの皆さんからも好評です。
- 2週間分の食材・食品を保管できる検食用冷凍庫(左写真)。縦長のスリムタイプで、包丁・まな板を殺菌(右写真)
給食を通じた
新たな食育計画もスタート
くりのみ保育園では自園調理を継続しながら、昨年度より調理業務を専門会社へ委託する体制へ移行しました。専門性の高い給食運営を実現するとともに、園児たちが楽しみにできる給食づくりにも力を入れています。
一方で、今後は保育士主体の食育計画も進めており、行事食や野菜栽培などを通じて、子どもたちの食への関心をさらに育んでいく考えです。
給食室は、単に給食を調理する場所ではなく、子どもたちの学びや成長を支える新たな食育の舞台としても大きな役割を担い始めています。
- お待ちかねの給食の時間。歌を歌って、みんなで元気に「いただきます!」
給食室の「困った」を
ともに解決できるパートナーへ
須藤副園長がfujimakとの会話の中で特に印象に残っているのが、「機器を納めて終わりではなく、そこからが本当のお付き合いの始まりです」という担当者の言葉でした。
その言葉を実感した出来事が、新給食室の稼働初日に起こりました。
当日は一部工事を継続しながらのスタートだったため、調理に必要なガスが供給されていないことが判明したのです。そんなときも、fujimakが迅速に代替案を提案し、無事に給食を提供できました。
困ったときにすぐ相談できる存在がいることの心強さを改めて感じたそうです。
新しい給食室の運用は、まだ始まったばかりです。しかし須藤副園長は、その先を見据えています。
「機械ですから、これからさまざまなことが起こるかもしれません。そんなときはfujimakの担当者を頼りながら、職員や調理スタッフと力を合わせて乗り越えていきたいですね」
給食室を中心に、子どもたちが日常の中で“食”に親しむ環境づくりを進めるくりのみ保育園。新しい給食室は、園児たちの食体験を支える重要な場となっています。
- 新園舎のホールで笑顔を見せる先生方。左から須藤緑副園長、栗原洋子理事長・園長、竹内久美子園長代理
関連製品・サービス
| 施設名 | くりのみ保育園 |
|---|---|
| 経営 | 社会福祉法人大泉きくみ会 |
| 所在地 | 東京都練馬区東大泉7-14-13 |
| 電話 | 03-3925-5435 |
| 開園 | 1968年12月 |
| Webサイト | https://www.くりのみ.com/ |